はじまりは、6本の苗木から。

私がマンゴーの栽培を始めたのは今から10年前、2006年のことでした。 知り合いのマンゴー農家さんより6本の苗木を購入し、家庭菜園を始めたのがきっかけでした。 亜熱帯の温暖な奄美では、日を追うごとに苗木はグングン成長していき、植え付けから3年後、 ようやく初めてマンゴーを収穫することができました。たった一個のマンゴーを収穫するまでに 3年間、来る日も来る日もマンゴーの木を眺めては「美味しい実をつけろよー」と話しかけてた のは今となっては良い思い出です。そして、その一個のマンゴーが私の人生を変えてしまいました。 甘く、やさしく、人を笑顔にさせてくれるマンゴーの魅力に惹かれ、この感動をもっと色んな人に 味わってほしいと願うようになりました。

農業を始めてから10年目、今では最初に植えた6本の木から収穫されたマンゴーの種から芽をつけ、接木から植え付けまですべて自分で行い100本の木を育てるまでになりました。 マンゴーの栽培はとても大変です。適した時期に剪定をし、適した時期に花をつけ、適した時期に 摘果(不要な実を落とすこと)をしないときちんと実がなりません。夏には台風がたびたび接近し 恐怖に怯えることもあるし、何よりハウスの中はとても暑いのです。 だけど、一粒一粒成長を見届けたマンゴーを収穫し、 それを食べた方が「美味しい」と言ってくれることが何よりも嬉しく、私の励みになっています。 あの時の感動を忘れないように。5年先も10年先も、あたり農園のマンゴーの味が忘れられないと 思ってもらえるよう、私は今日もマンゴー畑に向かいます。